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世界の学生に聞いた人気就職企業ランキング2017

(出展:Ecole polytechnique)
(出展:Ecole polytechnique)

米調査・分析会社のユニバーサム・グローバルは7月、世界の学生に聞いた「最も魅力的な企業ランキング」を発表しました。世界12経済大国(米、英、日本、フランス、ドイツ、中国など)でビジネス、エンジニアリングを専攻する学生を対象とした調査で、トップ3はいずれも米企業が独占し、1位グーグル、2位ゴールドマン・サックス、3位アップルとなりました。

 

また、トップ50のうち日本企業は、17位ソニー、46位トヨタの2社がランクインしました。

 

ランキングでは日用消費財を取り扱う企業が全体の20%(前年比2ポイント増加)を占め、銀行16%、自動車11%があとに続きました。

 

本記事では、ユニバーサム・グローバルが公表している「Employer Attractiveness Rankings(世界人気企業ランキング)」をもとに、世界の学生がどのような業界や企業に就職したいと思っているかなどを見ていきます。

 

 

目次

  1. 1 グーグル、9年連続首位を維持
  2. 1-1 ビジネス部門では日本からソニー、トヨタがランクイン
  3. 1-2 IT企業がトップ3独占
  4. 2 学生に人気のある業界
  5. 2-1 経営コンサル、銀行、金融サービスがトップ3
  6. 2-2 FMCGと家電業界の人気急落
  7. 3 世界の学生、ワーク・ライフ・バランスを最重視

 

1 グーグル、9年連続首位を維持

調査

(出展:Ranking The Brands)

 

調査は、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、ロシア、韓国、英国、米国の世界12大経済大国の学生29万4,663人(ビジネス専攻14万5437人、エンジニアリング/IT専攻14万9226人)を対象に行われ学生が就職したい企業をランキング化しました。

 

 

1-1 ビジネス部門では日本からソニー、トヨタがランクイン

まず、ビジネス専攻の学生を対象としたランキングでは、グーグルが9年連続の1位となりました。次いで、2位ゴールドマン・サックス、3位アップル、4位EY(アーンスト・アンド・ヤング)、5位PwC(プライスウォーターハウスクーパーズ)、6位デロイト、7位マイクロソフト、8位ロレアルグループ、9位KPMG、10位J.P.モルガンと続きました。

 

・ 世界人気企業ランキング トップ20(ビジネス部門)

順位 企業名 順位 企業名
1 グーグル 11 マッキンゼー・アンド・カンパニー
2 ゴールドマン・サックス 12 ボストン・コンサルティング・グループ
3 アップル 13 P&G
4 EY 14 モルガン・スタンレー
5 PwC 15 ナイキ
6 デロイト 16 BMWグループ
7 マイクロソフト 17 アディダスグループ
8 ロレアルグループ 18 コカコーラ
9 KPMG 19 ソニー
10 J.P.モルガン 20 ユニリーバ

(Universum Global「WMAE Rankings 2017」より作成)

 

日本企業は19位ソニーと46位トヨタの2社が、ビジネス部門でランクインしました。このほか、トップ50までにインターネット最大手のアマゾン(26位)、SNSで急成長したフェイスブック(29位)、韓国からは唯一サムスン(49位)などがランクインしました。

 

・ ランキング21位〜50位

順位 企業名 順位 企業名
21 Johnson & Johnson 36 HEINEKEN
22 IKEA 37 HSBC
23 Bank of America Merrill Lynch 38 Daimler/Mercedes-Benz
24 Bain & Company 39 General Electric (GE)
25 IBM 40 Volkswagen Group
26 Amazon 41 Credit Suisse
27 Nestlé 42 Ford Motor Company
28 Deutsche Bank 43 AB InBev
29 Facebook 44 Intel
30 Accenture 45 UBS
31 PepsiCo 46 Toyota
32 LVMH(Louis Vuitton) 47 General Motors (GM)
33 Citi 48 Dell
34 Barclays 49 Samsung
35 Grant Thomton 50 3M

(Universum Global「WMAE Rankings 2017」より作成)

 

 

1-2 IT企業がトップ3独占

次に、エンジニアリング/IT専攻の学生を対象としたランキングでは、ビジネス部門とは異なり、IT企業や自動車会社が上位に多くランクインしました。
グーグルが昨年に続いて1位を維持。次いで、2位マイクロソフト、3位アップル、4位GE(ジェネラル・エレクトリック)、5位BMW、6位IBM、7位インテル、8位シーメンス、9位ソニー、10位サムスンと続きました。

 

・ 世界人気企業ランキング トップ20(エンジニアリング/IT部門)

順位 企業名 順位 企業名
1 グーグル 11 ジョンソン・アンド・ジョンソン
2 マイクロソフト 12 フォード
3 アップル 13 P&G
4 ジェネラル・エレクトリック 14 GM(ジェネラル・モータース)
5 BMWグループ 15 ロレアルグループ
6 IBM 16 フェイスブック
7 インテル 17 アマゾン
8 シーメンス 18 フォルクスワーゲン
9 ソニー 19 シェル
10 サムスン 20 マッキンゼー・アンド・カンパニー

(Universum Global「WMAE Rankings 2017」より作成)

 

ビジネス部門で19位だったソニーは9位に、46位だったトヨタは24位に、さらに日産自動車が40位にランクインしました。

 

・ ランキング21位〜50位

順位 企業名 順位 企業名
21 Daimler/Mercedes-Benz 36 The BostonConsulting Group
22 Dell 37 3M
23 The Coca-Cola Co. 38 Adidas Group
24 Toyota 39 PepsiCo
25 ExxonMobil 40 Nissan
26 Nestle 41 Accenture
27 Goldman Sachs 42 Hewlett Packerd Enterprise
28 Electronic Arts 43 Uniliever
29 IKEA 44 Bosch
30 Pfizer 45 HEINEKEN
31 Cisco Systems 46 BASF
32 J.P.Morgan 47 Huawei
33 Lenovo 48 BP
34 Oracle 49 EY(Ernst & Young)
35 Deloite 50 Novartis

(Universum Global「WMAE Rankings 2017」より作成)

 

 

2 学生に人気のある業界

上位-m

 

ビジネス部門のランキングでは、FMCG(日用消費財)を取り扱う企業が、前年比2ポイント減少したものの、全体の20%を占めて最も多くなりました。次いで、銀行(16%)、自動車(11%)、ソフトウェア・コンピューターサービス・マルチメディア開発等(7%)などが続きました。

 

 

2-1 経営コンサル、銀行、金融サービスがトップ3

ビジネス部門における学生が最も就職したい業界に関する調査では、経営戦略コンサルティングが28%で1番人気となりました。次いで、銀行25%、金融サービス23%、監査・会計19%、メディア・広告17%と続きました。

 

 

2-2 FMCGと家電業界の人気急落

2017年のエンジニアリング/IT部門におけるランキングでは、自動車業界は増加しなかったものの、全体の14%を占めて首位となりました。

 

FMCGは昨年から4ポイント減少して12%となり、コンシューマー・エレクトロニクス(家電)は2ポイント減少して5%となるなどシェアが急落しました。

 

一方、ソフトウェア・コンピューターサービス・マルチメディア開発は、前年から3ポイント伸ばして8%となりました。

 

上位2-m

 

最も就職したい業界に関する調査では、ソフトウェア・コンピューターサービス・マルチメディア開発が23%を占めてトップとなりました。次いで、インダストリアルエンジニアリング(産業・経営工学)21%、航空宇宙・防衛20%、自動車17%、エネルギー16%と続きました。

 

※ FMCGとはFast Moving Consumer Goodsの略で、消費者向けの低価格の製品(日用消費財)のこと。商品回転率が高く、新商品開発までのプロセスが短い消費財ことをいう。たとえば、洗剤、洗面用品、コスメ、アパレル、フットウェア、スポーツ用品、家電、書籍、OTC医薬品、ステーショナリー、食品などがその一例。(参照:ELITE Network.

 

 

3 世界の学生、ワーク・ライフ・バランスを最重視

「キャリア目標で最も重視すること」に関する調査では、世界のほとんどの学生が「ワーク・ライフ・バランス」と応えました。また、多くの国の学生が次点に「雇用の保障と安定」を挙げるなど、仕事で成功を収めるよりも、バランスの取れた働き方や安定した地位を求める傾向にあることが明らかとなりました。

 

・「キャリア目標で重視すること」ランキング(学生部門)

順位 回答内容 割合
1 ライフ・ワーク・バランス 53%
2 雇用の保障と安定 42%
3 リーダーもしくはマネージャーになる 36%
4 国際的なキャリアを持つ 35%
5 より競争的に、または知的にチャレンジする 30%
6 起業家になる、もしくはクリエイティブになる 28%
7 社会奉仕、社会貢献 27%
8 自立する、独立する 22%
9 より専門的になる 13%

 

・「キャリア目標で重視すること」ランキング(エンジニア部門)

順位 回答内容 割合
1 ライフ・ワーク・バランス 51%
2 雇用の保障と安定 42%
3 社会奉仕、社会貢献 29%
4 より競争的に、または知的にチャレンジする 29%
5 起業家になる、もしくはクリエイティブになる 29%
6 より専門的になる 28%
7 リーダーもしくはマネージャーになる 27%
8 国際的なキャリアを持つ 27%
9 自立する、独立する 20%

 

 


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