今年6月に「情熱価格」で売り出された50インチの4Kテレビが発売一週間で完売となるなど話題を呼んでいます。
ドン・キホーテは6月15日、同社プライベートブランドの「情熱価格PLUS」にて50インチの4K対応液晶テレビを業界最安値の税抜き5万4800円で発売しました。
5万円台で購入できる50インチの液晶テレビが少ないなか、4K対応で売り出したドン・キホーテ。「いくらなんでも安すぎる」価格は瞬く間に各所で話題となり、わずか1週間で初回生産分が完売したといいます。
あまりの人気ぶりに現在は予約を一時休止しており、ドン・キホーテは増産について見込みがつき次第発表するとしています。
目次
- 1 情熱価格+PLUSでテレビを販売
- 1-1 世界初?5万円台の4K液晶を大解剖
- 1-2 発売1週間で3000台完売
- 2 ジェネリックREGZA?東芝、異例の否定
- 2-1 「当社は関わっておりません」とコメント
- 2-2 プライベートブランドテレビ、広がるか
1 情熱価格+PLUSでテレビを販売
ドン・キホーテホールティングスが展開するプライベートブランド(PB)は、おもに日用品などが対象の「情熱価格」、情熱価格のワンランク上の「情熱価格プラス」、最上級ブランドである「情熱価格プレミアム」の3つになります。
情熱価格 | 「価格訴求ブランド」をコンセプトに、安さを追求することに特化した商品群。日々の暮らしに欠かせないラインナップを中心に、幅広く「もっと安く」に応えるブランドライン |
---|---|
情熱価格プラス | 「付加価値ブランド」をコンセプトに、情熱価格のワンランク上の品質や機能、デザイン性のある商品を目指したブランドライン。「プチ便利・プチハッピー」を提供することを目的としている |
情熱価格プレミアム | 品質、機能、デザインともにオンリーワン商品となる【情熱価格】の最上級ブランドライン。商品開発においてすべての項目が利用者の「これがほしかった!」を実現する商品群 |
(参照:ドン・キホーテ)
1-1 世界初? 5万円台の4K液晶を大解剖
ドン・キホーテは6月15日、全国(一部店舗を除く)で「50V型 ULTRAHD TV 4K液晶テレビ」を発売。
同社ニュースリリースによれば、初の試みとなった4K対応の液晶テレビは、フルHDの4倍の解像度(水平3840×垂直2160画素)を持つ4K高精細パネルを搭載しています。メインボードには東芝製を採用し、高解像度を要求する最新ゲーム機でも遅延時間を最小限に抑え、快適にプレイすることが可能となっている模様です。
このほか、ホームシアターや録画用USBハードディスクへの接続に対応、さらにダブルチューナーを内蔵しているため、ダブル録画にも対応しているとのことです。
・ 詳細スペック
名称 | 情熱価格PLUS 50型ウルトラHD 4Kテレビ |
---|---|
価格 | 税抜き5万4800円 |
アスペクト比 | 16:9 |
本体重量 | 約11キログラム(スタンドあり) |
サイズ | 横112センチ×69センチ×28センチ |
画素数 | 水平3840×垂直2160 |
搭載チューナー | 地上デジタル×2 |
BSおよび110度CSデジタル×2 | |
接続端子 | 地上デジタル入力端子×1 |
BS・110度CSデジタル入力端子×1 | |
HDMI端子×3 | |
RCA入力端子×1 | |
ヘッドホン/イヤホン出力端子×1 | |
光デジタル音声出力端子×1 | |
LAN端子×1 | |
USB端子×1(録画用) |
(▲ドン・キホーテの「50V型 ULTRAHD TV 4K液晶テレビ」 / 出展:itmedia.co.jp)
1-2 発売1週間で3000台完売
発売と同時に大きな反響を呼んだ同製品は、販売目標の2000台を大きく上回り、発売後1週間で予約注文分を含めた販売台数が3000台に達しました。現在は一部店舗を除いて予約受付を一時休止しており、予約再開については増産の見込み待ち状態となっています。
2 ジェネリックREGZA? 東芝、異例の否定
購入した利用者から同製品のインターフェースや使用感などが東芝製液晶テレビのレグザに似ているとの声が相次いだため、東芝はホームページにて「開発に関わっていない」と否定する事態に発展しました。
2-1 「当社は関わっておりません」とコメント
SNSなど一部で「ジェネリック※レグザ」と表現されたドンキの4Kテレビ。「東芝が製造したのか」「どうやら東芝がつくったらしい」などの噂が広がったことを受けて、東芝映像ソリューションは次のようなコメントを発表しました。
「当社(東芝映像ソリューション株式会社)は、レグザやレグザブルーレイの商品化のほか、業務用ビジネスとして、サイネージビジネスやクラウドビジネス、業務用部品ビジネスなどを展開しております。昨今、業務用部品ビジネスのひとつである、当社製テレビ受信システム「デジタルボード」を使用した液晶テレビが数社から商品化されていますが、当社はこれらの液晶テレビの製品としての開発、設計、デザイン、企画、製造及び販売等には関わっておりません。また当社は、製品としての当該液晶テレビについての性能や品質を保証するものではありません」
(参照:東芝映像ソリューション株式会社)
現在、半導体事業の売却先を巡って右往左往している東芝。思わぬところへの飛び火となってしまいました。
※ ジェネリックとはもともと後発医薬品を意味し、「新薬」の特許が切れたあとに販売される新薬と有効成分・効き目が同じだが、価格が安い医薬品のこと。
2-2 プライベートブランドテレビ、広がるか
大手メーカーがあれもこれもと機能を盛り込んだ家電製品は、消費者から“無駄”と思える機能も少なくありません。
一方、ドン・キホーテの4Kテレビのように、価格を抑えているぶん、機能もシンプルにまとめられた商品は、利便性や安さを追求する消費者の心をつかんだようです。爆発的な売れ行きを目の当たりにして、大手家電メーカーや他社プライベートブランドの商品展開に影響も予想されます。
ソニーの有機ELテレビ再参入※など静かに盛り上がりを見せてきた液晶テレビ市場今後の動向にますます注目です。
※ ソニーは、2010年に有機ELテレビ市場から撤退してから7年ぶりとなる新商品の発表を行った。国内向けでは、A1シリーズである65インチと55インチの2種類を用意しており、6月以降に順次投入する予定。77インチの大型モデルは秋以降に発売される予定。