
昨年、独フォルクスワーゲンが自動車世界販売台数においてトヨタ自動車を抜いて初めて首位に立ちました。各自動車メーカーにとってブランドイメージにおける“信用力”は生命線。排ガス不正問題で一時は失墜するも、前年比3.8%増となる1031万2400万台を販売し、見事盛り返しました。
海外メディア「focus2move」は今年6月、1月〜4月期の自動車販売台数をもとに各自動車メーカーをランキング化し公表しました。
ランキングではトヨタ自動車が首位に返り咲き、2位フォルクスワーゲンを70万台以上の差で引き離しました。このほか、メルセデスやルノーが前年比10%以上の伸びを記録するなど躍進。世界の自動車販売台数は前年比2.9%増の3070万台と好調です。
本記事ではfocus2moveが作成したランキングをもとに、2017年1月〜4月期における世界自動車販売台数を詳細に解説します。
目次
- 1 トヨタ自動車が首位奪還
- 1-1 トヨタ、世界市場シェア9.5%
- 1-2 ニッサン、ホンダは前年順位を維持
- 1-3 厳しい年となった韓国勢
- 1-4 躍進したルノーとメルセデス
- 2 11位〜20位の自動車メーカーの現状
- 2-1 好調のBMWと不調のアウディ、プジョー
- 2-2 マルチスズキ、インド市場で絶好調
1 トヨタ自動車が首位奪還
2017年1月〜4月までの4ヶ月間の自動販売台数では、トヨタ自動車が前年比6.5%増となる290万台で首位に立ちました。ついで2位フォルクスワーゲン212万台、3位フォード200万台、4位日産170万台、5位ホンダ161万台、6位現代(ヒュンダイ)140万台、7位シボレー125万台、8位起亜(キア)86万台、9位ルノー83万台、10位メルセデス82万台となりました。
・世界自動車販売台数トップ10
順位 | メーカー | 売上台数 | 前年比 |
---|---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 2,889,030 | 6.5% |
2 | フォルクスワーゲン | 2,122,020 | −0.6% |
3 | フォード | 2,005,418 | −3.1% |
4 | 日産 | 1,703,491 | 7.1% |
5 | ホンダ | 1,618,349 | 9.0% |
6 | 現代(ヒュンダイ) | 1,405,149 | −7.6% |
7 | シボレー | 1,253,009 | −0.4% |
8 | 起亜(キア) | 860,907 | −16.4% |
9 | ルノー | 837,668 | 12.9% |
10 | メルセデス | 823,050 | 12.3% |
(参照:focus2move公表資料より作成)
1-1 トヨタ、世界市場シェア9.5%
(出展:RTE)
トヨタ自動車は2017年第一四半期の世界市場で9.5%を占めました。国別の売上では日本12%増、インドネシア21%増、タイ17%増、フィリピン32%増、インド39%増と大きく伸ばしました。このほか、南アフリカ、フランス、イタリア、ドイツ、マレーシアでも好調でした。
一方、2位フォルクスワーゲンは、国別でドイツ6%減、イギリス5%減、ブラジル8%減、トルコ16%減、フランス7%減と大きく売上台数を落としました。世界市場シェアは7.0%となりました。
また、3位フォードは中国でマイナス18%と大きく落ち込んだため、全体で3%減となる200万台にとどまりました。世界市場シェアは6.6%でした。
1-2 ニッサン、ホンダは前年順位を維持
4位日産自動車は、中国、日本、イギリス、ブラジルでの販売が好調で、前年比7.1%増の170万台に達しました。世界市場シェアは5.6%でした。
日産は昨年10月、燃費データ不正問題にあえいでいた三菱自動車の株式を2600億円で買収、同社の大株主となりましたが、株式の66%は元所有者である三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行が保有しています。
また5位ホンダは前年比9%の高い伸びを記録し、前年6位から順位を1つ繰り上げました。世界市場シェアは5.3%でした。
1-3 厳しい年となった韓国勢
2017年第一四半期は韓国勢メーカーの低迷が顕著でした。
6位現代自動車は140万台で前年比7.6%の減少、8位起亜は86万台で前年比16%の減少と、大きく落ち込みました。世界市場シェアは前者4.6%、後者2.8%となります。
また、7位シボレーは前年比0.4%の減少にとどまり、125万台となりました。
1-4 躍進したルノーとメルセデス
9位ルノーと10位メルセデスは前年から大きく販売台数を伸ばしました。
前年比12.9%増となったルノーは、83万台を売り上げ、メルセデスは前年比12.3%増の82万台を売り上げました。
ルノーグループによると、特に欧州市場が好調で2017年は2%程度の伸びが見込めるだろうとしています。
新型Eクラスの売り上げが好調なメルセデスは、ドイツや欧州市場をはじめ、米国、アジア市場でも高い伸びを記録しています。
2 11位〜20位の自動車メーカーの現状
次に11位〜20位の自動車メーカーを見ていきます。
・世界自動車販売台数11〜20位
順位 | メーカー | 売上台数 | 前年比 |
---|---|---|---|
11 | BMW | 681,269 | 7.1% |
12 | プジョー | 662,476 | −5.7% |
13 | アウディ | 602,902 | −4.9% |
14 | changan(長安汽車) | 539,332 | 2.5% |
15 | フィアット | 533,530 | 3.5% |
16 | マツダ | 529,833 | 4.2% |
17 | マルチ・スズキ | 528,557 | 16.7% |
18 | スズキ | 520,752 | 3.3% |
19 | wuling(上汽通用五菱汽車) | 472,475 | 0.8% |
20 | Jeep | 460,493 | −0.7% |
(参照:focus2move公表資料より作成)
2-1 好調のBMWと不調のアウディ、プジョー
昨年の世界販売台数で過去最高を記録したBMWは前年比7.1%増となる68万1269台を売り上げました。「Xシリーズ」「2シリーズ」「7シリーズ」の売上が好調で、電気自動車モデルの「iブランド」も販売台数増加に貢献しました。
地域別では、中国を含むアジア全体の4月実績が前年同月比32.8増となる6万8374台を販売しました。北米では3万4304台と前年同月比9.6%の減少となったものの、欧州では前年同月比0.8%増加し、8万4853台を売り上げました。(参照:Response)
一方、フォルクスワーゲン参加のアウディとプジョーは不調が続いています。
5ヶ月連続で減少となったアウディは、前年比5.7%の減少で60万2902台となりました。5月単月の販売台数は15万9600台で、前年同月比2.8%の減少です。北米市場や欧州市場で販売を拡大させるも、中国における減少が大きく影響しました。
プジョーは前年同期比7.1%の減少で66万2476台にとどまりました。
2-2 マルチスズキ、インド市場で絶好調
スズキの完全子会社であるインド現地法人のマルチスズキ(マルチ・スズキ・インディア)は、前年同期比16.7%増で52万8557台と高い伸びを記録。親会社であるスズキの販売台数を上回りました。
インドの乗用車市場ではシェアトップを走り続けるマルチスズキ。インド都市部を中心とした経済成長を背景に、所得が増えた世帯が2輪から車に乗り換える傾向が顕著となっています。すでに2台に1台がマルチスズキで、トヨタやホンダのシェアは5%前後にとどまります。
好調と不調の明暗がはっきりと別れた2017年第一四半期の世界自動車販売台数ランキング。今後も各自動車のメーカーの熾烈な競争に注目です。