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トヨタがタクシー業界に変革をもたらす!?〜最新の自動運転技術事情

2017年内に発売予定のトヨタ製次世代タクシーが話題を呼んでいます。トヨタは昨年末に都内で行われた実車撮影会で次世代タクシー「JPN TAXI」を公開。タクシーといえば、コンフォートとよばれるクラシカルなセダンタイプのデザインが一般的ですが、公開された次世代タクシーはステーションワゴンのような外観となっており、注目を集めました。
トヨタは昨年8月には自動運転技術でタクシー連合会と提携するなど結びつきを強めています。果たして今、タクシー業界に何が起こっているのでしょうか。

 

 

 

目次

  1. 1 トヨタの次世代タクシーとは
  2. 1-1 ユニバーサルデザインを意識
  3. 1-2 自動運転技術の提携
  4. 2 最新のタクシーサービス事情
  5. 2-1 アメリカ生まれの配車アプリ「Uver」
  6. 2-2 タクシー乗り放題
  7. 3 今後のタクシー業界はどうなる?
  8. 3-1 タクシーはいずれ自動運転の時代に
  9. 3-2 外国人も気軽に利用できるように

 

1 トヨタの次世代タクシーとは

次世代タクシー「JPN TAXI」は2013年東京モーターショウに出品されたコンセプトモデルのデザインをほぼ踏襲しました。外観は黒のボディーカラーに全高1740mmのワゴンタイプ。5ドアハッチバックで後部座席のドアは電動スライド式となっています。リアシートは分割可倒式で積載性も高くなりました。

 

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(▲トヨタ JPN TAXIは後部座席がスライドドアで昇降しやすい)

 

車内はワゴンタイプ特有の縦に長いつくりで、車椅子でそのまま乗り込めるほど余裕があります。そのため背の高い男性や高齢者でも乗り降りがしやすくなりました。

 

 

1-2 自動運転技術の提携

トヨタは、2020年の東京オリンピックの外国人旅行者の増加を考慮し、今後はユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)の普及に取り組む方針であることを明らかにしています。

 

UDタクシーとは外国人のみならず、高齢者、車いす使用者、ベビーカー利用者、妊婦など誰もが利用しやすいタクシーのことで、国土交通省は、平成32年度までにUDタクシー含む福祉タクシーを約28,000台整備する目標を掲げています。

 

・次世代タクシー「JPNTAXI」の仕様

乗車店員 5名
ボディサイズ 全長4400mm、全幅1695mm、全高1740mm
ホイールベース 2750mm
パワートレイン 1.5リッターLPGハイブリッド 直列4気筒DOHC
エンジン モーター 最大出力74ps 最大トルク11.3kg-m
最大出力61ps 最大トルク17.2kg-m
燃費性能 17.8km/ℓ

※ LPGハイブリッドとはガソリンとLPガスの2つの燃料を効率よく利用して走る方式のこと。従来の「ハイブリッド」は、電動モーターとガソリンエンジンの2つの動力源を同時に装備するが、LPGハイブリッドは、バイフューエル(Bi-Fuel)と呼ばれる一つの動力源(エンジン)に、複数の燃料(ガソリンとLPガス)を用いる。(参照:ケイテック株式会社)

 

 

1-2 自動運転技術の提携

昨年8月、トヨタは全国ハイヤー・タクシー連合会と自動運転技術を活用した“未来の日本のタクシー”の開発で協力する方針であると発表しました。タクシーから得られる交通・道路環境の情報をトヨタの自動運転技術に活用し、それをタクシーの実験的な営業へ還元するといった相互協力システムとなります。

 

タクシー業界とトヨタのつながりは古く、1936年に豊田自動織機製作所(現トヨタ)のトヨダ・AA型乗用車がタクシーとして使用されたのがはじまりで、現在ではクラウンコンフォートがタクシー車種の8割を占めます。

 

トヨタは昨年1月に自動運転の基幹となる人工知能技術を研究するために新会社※を設立したばかりです。今後5年間で10億ドルの資金を投入する予定で、自動運転技術を強化します。

 

※ TOYOTA RESEARCH INSTITUTE株式会社はアメリカ・シリコンバーレに設立。マサチューセッツ工科大学やスタンフォード大学に設立した研究センターと連携して研究開発に取り組んでいる。

 

 

2 最新のタクシーサービス事情

タクシー業界も日進月歩。日々さまざまな新サービスが登場しています。

 

 

2-1 アメリカ生まれの配車アプリ「Uver」

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アメリカ・ニューヨークで誕生した配車サービスのスマートフォンアプリ「Uver」が2014年、本格的に東京に進出。東京のタクシー会社と提携して配車サービスを行っています。

 

Uverではスマートフォンを使えば簡単にタクシーを手配できるのが特徴。支払いもアプリを利用して決済できるため、現金を用意する必要もありません。

 

アメリカでは一般人が自家用車を利用してタクシー業務を行うUverXというサービスが提供されていますが、日本では、「白タク行為」に当たるため法律で禁止されています。しかし、タクシーのドライバー不足やUverアプリの広がりを受け、白タクの規制緩和を求める動きも出ており、その動向に注目が集まります。

 

 

2-2 タクシー乗り放題

高齢者による自動車事故が相次ぐなか、旅行会社大手JTBが高齢者を対象にタクシーの定額サービスを始めました。

 

JTBが提供する「ジェロンタクシー」は、70歳以上の高齢者限定で、1ヶ月間、自宅と2つの指定目的地の間を定額で何度でも利用することができます。料金は、距離によって異なり2万8000円~6万8000円となります。

 

JTBによると、乗車ごとに支払うタクシー運賃を旅行業における募集型企画旅行商品で実施することにより、1ヵ月の定期券として定額乗り放題を実現することができました。

 

現在は福岡市東区・博多区・中央区に在住の高齢者限定のサービスとなっており、その他地域で提供されるかは未定です。

 

ジェロン

(参照:JTB

 

 

3 今後のタクシー業界はどうなる?

トヨタとの自動運転技術の提携や、配車アプリ、定額乗り放題サービスの登場などタクシー業界の環境は変わりつつあります。運送収入は年々下降線を辿り、輸送人員も減り続けているのが現状です。

 

 

3-1 タクシーはいずれ自動運転の時代に

日本交通の川鍋会長は、今後のタクシー業界について
「タクシーはスマホで呼ぶ時代がやってきた。そして、運転手さえいらなくなる自動運転の時代がくる」

 

としたうえで、現在はスマホアプリ「全国タクシー」の機能強化に取り組んでいることを明かしました。

 

全国タクシー

 

3月1日のプレスリリースでは新機能として、“JapanTaxi Wallet”(ジャパンタクシーウォレット)を開始したことを発表。日本交通の車両の助手席後部に搭載されているタブレットを活用することで、乗車している間に支払い手続きを済ませることができ、利便性が向上しました。(参照:日本交通

 

 

3-2 外国人も気軽に利用できるように

また、川鍋会長は今後の外国人によるタクシー利用について

 

「アプリでクルマを呼べることも大事だが、もっと重要なのは外国人でも行き先をしっかり乗務員に伝えられるか、決済ができるかということ。そこで、タブレット端末を車に積む。端末で自動翻訳を使えるようにして、行き先などの意思疎通を容易にできるようにする」(参照:産経ニュース

 

と語り、ユニバーサルデザインタクシーの重要性を強調しました。

 

来たる自動運転タクシー時代に備えて、タクシー業界も着実に動きだしています。将来タクシードライバーは本当に不要になってしまうのか、動向に注目です。

 

 


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