
定款には事業目的や商号、役員など多くの事項がありますが、この内容に不備があり、それが登記事項だった場合、法務局へ変更登記申請をする必要があります。
目次
- 1 定款変更事項
- 1-1 定款変更手続きとは
- 1-2 定款変更に必要な費用
- 2 定款の変更で公証人による認証が必要となるケース
- 2-1 会社設立前の定款変更
- 2-2 会社設立後の定款変更
1 定款変更事項
会社の本店所在地を変更する場合や、事業目的を変更する場合などは定款変更手続きをしなければなりません。
1-1 定款変更手続きとは
定款変更手続きには、2種類の方法があります。
①株主総会を開催して定款変更の決議をし、承認を得る
②株主総会を開催して定款変更の決議をし、承認を得たあと、所轄の法務局で変更登記手続き申請をする
①の場合は、株主総会の開催だけで定款変更の手続きは終了です。
②の場合は、株主総会で承認を得たあとに管轄の法務局へ変更登記の申請をしないと定款変更の効力が生じません。たとえば、次のような事項を変更する場合です。
・法務局での変更登記申請が必要な登記事項
変更事項 | 備考 | |
---|---|---|
1 | 事業目的の変更 | 官公庁の許認可がなければ目的に掲げた事業をすることのできない場合、当該許可書も必要となる。 |
2 | 商号(会社名)の変更 | 代理人によって登記申請する場合は委任状も必要となる。また、変更予定の商号で貴社と同一本店の会社がすでに登記されている場合は、商号変更登記はできない。 |
3 | 本店所在地(会社の住所)の移転 | 法務局が管轄している登記所内で本店移転する場合と、法務局の管轄外で本店移転をする場合とで申請書の内容と添付書類が変わってくる。 |
4 | 発行株式総数の変更 | 株主総会を開催し、発行可能株式総数の変更に関する特別決議を行ったあと、発行可能株式総数の変更登記を申請する。 |
5 | 株券を発行する旨の規定の廃止 | 添付書類として、①株主総会議事録、②公告をしたことを証する書面または、全部の株券を発行していない場合にはそのことを証する書面が必要となる。また、代理人によって登記申請する場合は委任状も必要となる。 |
6 | 役員に関する変更 | 役員が任期満了、辞任、解任、死亡、またはその他欠落事由の発生により変更となる場合、株主総会を開催し、役員を選任したあと、役員変更登記申請をする。 |
7 | 株式譲渡制限の定めの変更 | 委任状(代理人による登記申請の場合に限る)および定款変更にかかる株主総会議事録のほか、株券発行会社については、公告を行ったことを証する書面または株主名簿を添付する。 |
(参照:東京法務局)
・労働基準監督署に届ける書類
定款を変更する際に作成する書面の一例です。
1-2 定款変更に必要な費用
登記事項に変更が生じたときは、登記事由が生じた日の翌日から2週間以内に、管轄の法務局へ変更登記をしなければなりません。
定款変更の決議をした株主総会議事録を変更登記申請書に添付して、所轄の法務局に提出します。
その際、申請1件につき3万円の登録免許税がかかります。
なお、株式会社の設立時の定款(原始定款)は、公証人の認証を受けなければ効力を生じませんが、設立後に変更した定款に公証人の認証は不要です。
2 定款の変更で公証人による認証が必要となるケース
2-1 会社設立前の定款変更
会社の設立登記申請が完了する前であれば、原則として再度公証人による認証が必要になります。その際、2万5000円の認証手数料がかかります。
しかし、会社法の規定により定款の変更をするなど、公証人による認証を受けなくてもよい場合もあります。
・公証人の認証が不要なケース
1 | 会社成立前までに、発行可能株式総数を変更する場合 |
2 | 裁判所が、現物出資などの変態設立事項について不当と認め、変更決定をした場合 |
3 | 裁判所による変更決定後、1週間以内に、発起人が設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消し、発起人全員の同意を得て、変更された事項について定款の定めを廃止する場合 |
4 | 募集設立における創立総会の決議により定款を変更する場合 |
2-2 会社設立後の定款変更
設立登記申請が完了した後に定款変更をする場合は、公証人による認証は不要となります。