
目次
- 1 定款とは
- 2 定款に記載しなければならない事項
- 2-1 商号(会社名)
- 2-2 事業目的
- 2-3 本店所在地
- 2-4 会社設立時の出資額(資本金)
- 2-5 発起人の氏名と住所
- 2-6 発行可能な株式の数
- 3 相対的記載事項と任意的記載事項
- 4 定款のサンプル
1 定款とは
会社を設立するには、定款の作成が必要になります。定款は会社の憲法ともいわれ、会社の組織や運営についての基本的なルールを定めています。株主は、基本的に定款に記載されている事項について守らなければなりません。
定款には記載することが義務付けられた絶対的記載事項、任意に決められる「相対的記載事項」、「任意的記載事項」があります。
◯定款の記載事項一覧
意味 | 記載を欠いた場合 | 例 | |
---|---|---|---|
絶対的記載事項 | 定款に記載しなければならない | 定款が無効 | 商号、目的、本店所在地、資本金など |
相対的記載事項 | 定款に記載しないと効力が生じない | 定款に影響なし | 現物出資、財産引受、変態設立事項など |
任意的記載事項 | 法律に反しないかぎり任意に定めることができる | 定款に影響なし | 事業年度に関する定め、株主総会の招集時期、会社の社訓など |
以下、それぞれを解説していきます。
2 定款に記載しなければならない事項
定款を作るとき、次の事項は必ず記載します。必ず記載する事項は絶対的記載事項といい、記載を欠いた場合、定款が無効になるので注意しましょう。
2-1 商号(会社名)
2-2 事業目的
2-3 本店所在地
2-4 会社設立時の出資額(資本金)
2-5 発起人の氏名と住所
2-6 発行可能な株式の数
2-1 商号
商号とは会社の名前のことです。会社名は自由に決めることができ、◯◯株式会社でも株式会社◯◯でも構いません。ただし「株式会社」という言葉は必ず入れてください。
商号には、漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・符号を使うことができます。ただ符号は使用できる種類が限られているので、確認しておきましょう。
このほかの注意点として、他会社と見間違えるような会社名にすると、商号の使用差し止め請求をされることもあります。商号を考えるさいは、似た名前の会社がないかに気をつけましょう。
2-2 事業目的
何をする会社なのかを説明します。
株式会社は、一般的に出資者を募り、事業を通じて利益を上げ、出資者に配当する組織です。事業目的には営利性が求められ、どんな事業を行うのかを具体的に記載する必要があります。さらに目的が反社会的な内容でなく、法律に触れないなどの適法性も求められます。
2-3 本店所在地
会社の本拠地、つまり住所を記載する項目です。
住所の書き方には、市区町村までを記載する方法と、番地まで記載する方法があります。
市区町村まで記載する方法:(例)本店を東京都◯◯区に置く
番地まで記載する方法:(例)本店を東京都◯◯区△△町□番×号に置く
どちらの方法を選んでも構いませんが、番地まで記載する方法だと、同じ市区町村内で会社を移転することになった場合、定款変更手続きまで行わなければなりません。
定款変更手続きをするには、わざわざ取締役会や株主総会を開いて決議を行う必要があるので、面倒な作業になります。本店所在地にこだわりがなければ、市区町村までに留めるといいでしょう。
2-4 会社設立時の出資額(資本金)
定款を作成し、公証人による認証を受けたあと、発起人は出資金を払い込みます。これが会社設立時の出資金=資本金です。定款にはあらかじめいくら払い込むのかを記載しておきましょう。
2-5 発起人の氏名と住所
会社設立の手続きを進めてきた人を発起人といい、発起人の名前と住所を定款に記載します。
なお、絶対的記載事項ではありませんが、発起人が引き受けた株式の数を書くのが通例です。
2-6 発行可能株式総数
発行可能株式総数は正確には絶対的記載事項ではありません。というのは、定款の作成時に記載する必要はなく、設立登記申請までに定款に記載すれば問題ありません。(会社法37条)
3 相対的記載事項と任意的記載事項
定款に記載する必要はないですが、記載がないとその効力が生じない事項を相対的事項といいます。記載を欠いても定款自体に影響はありません。
相対的記載事項の例:現物出資、財産引受、変態設立事項、株式譲渡制限に関する規定、公告方法など
一方、法律に違反しない内容であれば、定款以外の諸規則として規定することができる事項を任意的記載事項といいます。
任意的記載事項であっても、会社設立後にこれを変更する場合は、株主総会の決議が必要になります。
任意的記載事項の例:事業年度に関する定め、株主総会の招集時期、会社の社訓など
4 定款のサンプル
一般的な定款のサンプルをお見せします。
なお、サンプルの定款では
・取締役は1名
・取締役会は非設置
・株式すべてに譲渡制限を設定した非公開会社
以上を想定した定款となっています。
現在、新規で設立する会社のほとんどが非公開会社です。非公開会社にするには、定款に「株式の譲渡制限」と記載すれば大丈夫です。