ビジネスモデルとは、ビジネスの仕組みのことで、どんな事業を行い、どう収益を上げるかの具体的なシミュレーションの形のことです。
事業の基軸をシミュレーションすることであり、様々な事業形態・計画における基本的かつ上位概念時位置する事項と言えます。
ビジネスモデルの検証は、起業や新規事業の開始に際して必ず行う業務と言え、経営計画や事業計画作成のもとになるモデルプランになります。
次号の成立条件や市場競争力、収益性の検証は、客観的で効率的な経営戦略の立案、事業計画の実行性に深く関わります。
目次
ビジネスモデル検証の必要性
ビジネスモデルの検証は、起業時や新規事業参入に最初の段階で行う業務です。事業計画の初期段階で行うため、市場環境や商品・サービスの売り込み先であるターゲットや仕入れ先等の関係各方面等の情報も限られると言えますが、事業成立の可能性や事業計画の可能性の評価も、このビジネスモデルを検証することで実態をある程度認識できます。
ビジネスモデルの検証は、会社経営、事業展開に詳しい専門と企業理念や具体的な事業方法の情報を共有して作成する必要あります。
ビジネスモデル検証の8つの視点
ビジネスモデルを検証すための視点は、新規事業に参入する場合を含めて、8つの視点に集約されます。
1.ビジネスモデルは成立するか?
ビジネスモデルの基本的構成要件である「商品」、市場」、「資金」の3つの観点から当該ビジネスモデルが成立するか否かを検証します。
2.新規制や独創性あるビジネスモデルか?
起業や新規事業に参入する市場の競争は如何なるものになるのか。市場規模に対して群雄割拠する「レッドオーシャン」市場なのか、競合相手が少なく、隙間を狙える「ニッチ市場」、「ブルーオーシャン市場」なのか検証する必要があります。
また、自己の会社は、独創的で顧客が希望する商品やサービスを提供可能であるか。
また、事業を成功させるための独創性ある参入方法と戦略も検証して下さい。
3.競争力があり優位性が維持可能なビジネスモデルか?
市場において、新規に提供する商品やサービスは、先行企業の商品やサービスに対して優位性や競争力を持っているかを直接的・間接的に検証する必要があります。また、問題が生じた場合は、これを想定した解決・改善策のモデルも考えておく必要が生じます。
4.収益性は確保可能か?
ビジネスモデルの機能検証の中核は、市場ニーズに適合した商品・サービスを顧客の期待値以上に提供出来るか否かにあります。これは、不毛な低価格競争を避けて通るためには欠くことのできないビジネスモデルの検証として重要です。
5.市場における顧客を具体的に捉え、顧客の認知を高める方法が具体化しているビジネスモデルであるか?
新規事業参入者にとって、自己の商品やサービスの機能や優位性を絞り込んだターゲットに認知してもらう事は、非常に重要な業務です。顧客獲得やその拡大戦略について有効に機能するビジネスモデルであるかを検証します。
6.商品管理体制を十分考慮したビジネスプランか?
事業が長い将来に渡って発展するためには、商品やサービスの品質が常に顧客の期待値を超えている必要があります。継続可能で実効性のある品質管理体制と改良・改善策がビジネスモデルに盛り込まれているかの検証も重要です。
7.業抜提携やビジネスパートナー等のネットワーク体制は?
ビジネス成功のカギは、個人的な人脈や「WIN・WIN」
の関係を構築するパートナーを得ることが重要です。
業務上のパートナーとの連携の可能性を含めたビジネスモデルの検証を行います。
8.既存事業と新規参入事業どのように関連付け、如何にして2つ以上の業務の相乗効果を発揮いさせるか否かの検証
既存事業と新規事業の相乗効果を高める戦略が重要です。
ビジネスモデルの具体的検証項目
ビジネスモデル検証の視点を確認した後は、それぞれの項目の具体的検証を行います。
①ビジネスモデルは成立するか?
ビジネスモデルは成立するか?では、事業運営に欠かせない人材や設備はなのか。事業の中核をなす技術に問題はないか。
提供する商品やサービスの市場と顧客の想定は明確なのか。
提供する商品やサービスを消費者が受けることは容易なのか。またそのための流通機能は十分か。
②新規制や独創性あるビジネスモデルか?
新規制や独創性あるビジネスモデルか?では、新規事業産有の場合のセオリーは、競合他社が少ない「ニッチ市場」や「ブルーオーシャン」と呼ばれる市場に参入することです。顧客にとって新鮮な商品やサービスであるか検証します。
そのビジネスモデルのコンセプトには、独創性や新規性が求められるか。
事業コンセプトは、新規顧客の眼を引き、購買意欲を感じさせられるか。
提供する商品・サービスは、他者の商品・サーブスで代用不可能か。
提供する商品・サービスの原材料や生産技術は、今まで市場に存在するものと比較してとどこが優れているのか。
顧客に売りっぱなしではなく、リピーターが多く生まれる販売システムは構築されているか。
③競争力があり優位性が維持可能なビジネスモデルか?
競争力があり優位性が維持可能なビジネスモデルか?では、同一市場に出回る競合商品やサービスとの客観的な比較ができており、自社の商品・サービスの強みが十分発揮される販売体制が採られているか。自社開発の商品・サービス等に他社の追随・模倣を許さない、特許・登録商標等の知的財産権対策がなされているか。
自社の商品やブランド力を高める、例えば、パッケージデザインや会社のスローガン等のコピー戦略等の取り組みはあるか。
競合他社に販売・流通戦略と比較して自社の効果的な販売・流通戦略は存在するか。
商品・サービスの質を向上させる、人材、技術等の機能的な開発システムは確立しているか。
④収益性は確保可能か?
収益性は確保可能か?では、提供する商品やサービスの収益と市場競争力を持つ価格設定のバランスが図られているか。顧客のクレーム等の対応体制はあるか。価格競争に巻き込まれない確固たる商品・サービスの地位はあるか。持続的な商品・サービスの提供で、コスト削減の可能性はあるか。
歩留まり率を向上させる対策が常に行われているか、また、商品やサービスの販売実績が時季等によって大きな増減はないか。
⑤市場における顧客を具体的に捉え、顧客の認知を高める方法が具体化せれているビジネスモデルであるか?
市場における顧客を具体的に捉え、顧客の認知を高める方法が具体化せれているビジネスモデルであるか?では、明確な顧客ターゲットが設定され、消費者の購買行動を把握しているか。新規顧客をリピーターへ導き、固定客にする販売戦略はあるか。
常に顧客の期待に負けない商品やサービスへ改良する努力がなされ、その体制はあるか。
ホームページや宣伝広告等による顧客の認知・高感度向上に対する対策はあるか。
新規事業に進出する際に、ある程度見込める顧客が確保されているか。
⑥商品管理体制を十分考慮したビジネスプランか?
商品管理体制を十分考慮したビジネスプランか?では、提供する商品・サービスの品質保証やそれを支える品質管理業務が重要です。また、クレーム対応の善し悪しが、その後の事業に大きな影響を与えます。この点では、提供する商品やサービスの品質管理体制は十分か、また、その客観的な裏付けはあるか。商品やサービスの機能や効用、性能の日常的な見直し、テスト等が行われているか。顧客のクレームに対して十分な対応システムがあるか。
⑦業抜提携やビジネスパートナー等のネットワーク体制は?
業抜提携やビジネスパートナー等のネットワーク体制は?では、新規事業を始めるには、自社では賄いきれない部分についてビジネスパートナーの力を借りることも必要です。良きビジネスパートナーに恵まれることは、事業成功のカギを握る重要な存在となります。
⑧既存事業と新規参入事業
既存事業と新規参入事業どのように関連付け、如何にして2つ以上の業務の相乗効果を発揮いさせるかの検証では、第2創業時では、既存の商品サービスに関連する組織や関係再起がある程度確立しているので、それらの関係組織やビジネスパートナーを活用して、従来の商品・サービスと新規の商品・サービスとのシナジー効果を発生させる戦略を考えます。既存の技術、設備、販売方法、販売ネットワーク、人材、素材の調達を効率よく活用できないか。
既存の商品やサービスのブランド力を活かす体制は機能しているか。
新規事業への適材適所の人材確保はなされているか。新たな設備、技術、人材の投入に過不足はないか。
既存の取引先で、新規商品やサービスに興味を持ち、販売先を紹介してくれる所はないか。
多少細かくなりましたが、以上8項目についてビジネスモデルを検証すると、自社事業の強みと弱みが浮き彫りになり、事業成功につながる有効な戦略や戦術の具体的な「アイデアの泉」となります。